
☕️今回のよりみちは、🐗狩猟の道シリーズ 初めての猪の解体編 です。
人生ではじめて猪の解体に立ち会った才谷さん。学んだこと、感じたことを綴っていきます。
その① 師匠からの連絡
狩猟への道を歩みはじめた才谷です。
猟師の師匠との出会いから、わなの狩猟免許をとり、そして、師匠から声をかけていただき、初めて猪の解体に立ち会いました。
突然の連絡でした。
1 師匠はくくりわな猟で、猟期明けともに山に入り、罠を罠を張ります。そして、罠に猪や鹿がかかっていないか毎日見回りをしています。
なので猪がかかった日に連絡をいただきました。

師匠
猪がかかりました。明日解体するので来られませんか?
優しい師匠に本当に感謝です。
余談を綴ると、私は猟友会に入るかどうか悩んでいる時でした。免許はとったものの、そこから自分の中で“うごき”“衝動”がなかったので、何か動かないとと思っていたところに、ほんとにその時に師匠からの連絡があったのです。
私は本当にこんな巡り合わせのもとに生きているといつも実感します。

才谷
ご連絡ありがとうございます!ぜひご一緒させてください!!
こうして、私は初めて猪の解体に立ち会うことになりました。我が子も誘うと、一緒に参加するとのこと。パートナーは「あの子には無理ちゃう。トラウマになると思う」なんて言われ何も言い返しませんでしたが、私は大丈夫だろうと信じていました。
連絡をもらった時からアドレナリンが出続けていたので、この日はなかなか寝付くことができませんでした。
その② はじめての猪
興奮しての寝不足気味で解体場に到着しました。
そこには吊るされた猪がありました。生の猪を見るのも初めてでした。よく考えたら鹿は見たことがありますが、猪は動物園にもいないので、本当に初めてでした。大きなオスの猪で、内臓も合わせたら65キロぐらいではないかと師匠は言っていました。

ふと、師匠の腕を見ると包帯が巻いてありました。尋ねると、猪を止め刺しするために棒で叩いたが、その時に手首を痛めたとのことでした。5、6発は叩いたそうです。罠にかかった猪も必死だったでしょうし、その猪と対峙した師匠も必死だったと想像できます。吊るされた猪の牙はとても鋭く、師匠も「この牙で太ももの大動脈を刺されて死ぬことが多い」と言っていました。私の未熟な語彙で表現するのは失礼だと思うほど、それはほんものの“命をかけたやりとり”なのでしょう。
吊るされた猪を見た時、驚きはありましたが、自分の中に大きな動揺はありませんでした。その吊るされた猪はもう“もの”に見えていたからだと思います。お腹を割かれ、内臓が取り出されていました。はじめはお腹の中を覗くのに少しばかり躊躇しましたが、少しずつ“慣れ”が生まれてきました。
吊るされた猪を解体台の上に下ろすといよいよ解体が始まりました。そこからあっという間に作業が進んでいったので、意識があまりありませんでした。というのも、初めて見ることばかりでどこに集中したらいいのか、またはずっと集中していたからだと思います。ハッと我に帰った、夢中から気を取り戻した時には、猪は皮が剥がれた状態になっていました。師匠からしたら“いつものこと”なので、その自然の流れに自分ものっていったのだと思います。
その③ 猪の解体 〜皮を剥ぐ〜
吊るされた猪を解体台の上におろしました。すでに内臓と生殖器はとられた状態だったので、初めての解体は皮を剥がす作業からになりました。

後ろ足からナイフを入れて皮を剥いでいきます。皮を引っ張りテンションをかけ、そこにナイフを当てると、皮と脂がきれいに分かれて剥がれていきました。

解体していて、猪には“ヨロイ”といわれる非常に硬い脂肪層があることをはじめて知りました。これは首周りから肩、そして胸の前方にあり、ゴム板のように硬いものでした。
我がたちは面白がってナイフを突き刺してのですが貫通せず、本当に身体を守る“鎧”のようでした。師匠は「銃の弾も貫通しないことがある」とおっしゃていました。
猪の皮を剥いでいると、何ヶ所か“傷跡”があり、その部分は鬱血したあとがありました。そこにはこの猪が生きてきた、生き抜いてきた証があるように感じました。今回の猟で、くくりわなにかかった前足、そして、師匠が叩いた頭の部分にも鬱血したあとがありました。


後ろ足から少しずつ前を剥がしていき、頭の皮も剥がしていきます。そうすると、一枚の大きな皮になりました。今回は処分しましたが、これを革に加工することをなめしといいます。一枚の大きな猪の皮に驚く私でしたが、師匠たちにとったらもう“いつもの”ことなので、あっというまにビニール袋のなかに入りました。


前足と頭をとったら、吊るして最後の血抜き?をしました。前足や頭をとる作業では、ある程度、肉を取ったら腱?をとり、ひねって「ゴキゴキ」という音がしました。映画などでは聞いたことがある音でしたが、実際にもこんな音がするのかと、顔と肩に力が入りました。それを平然とやってのける師匠とそのお子さんと、初めて立ち会った我が子のたくましさ。

その④ 猪の解体 〜肉を取る〜

いよいよ肉を取る作業です。ここは師匠もこの場に集まった人全員が夢中になって同時進行だったので、初めての私には何がなんだかわかりませんでした。
師匠は猪のあばらにナイフを入れ、そして一本ずつ肋骨を取っていきます。その作業は美しいと思うほど綺麗で、骨は飼い犬のおやつにすると言っていました。
師匠は肋の肉を剥がしながら、足の肉を剥がす指導も私たちにしてくれました。猪の身体に色々な角度から手やナイフが入ります。皆が夢中になっている間、私はその様子を見ているだけでした(これ以上猪に向けるナイフの数を加えるのも怖かったのもあります。)
猪の肉を削ぎ取りながら、どこか身体の構造がイメージできてくるのを感じました。猪も人間と同じ哺乳類であり基本構造は一緒なので(多分)、人間もこのようになっているのか、とか考えました。そんな私が人間なのですが、そんな私の構造をあまりに私は知っていないのだなぁ、なんて。座学だけでは得られないものが、“生活(生きるための活動)”“自力”の中にはあるな、と改めてこの機会を頂けたことに感謝しました。

肉を削ぎ取っていくと、脊椎と後ろ足の骨がついたものが取り出されました。この骨がたくさんの肉をつけ、猪の身体を支えている。猪という形をつくっている。そのように思え、見ても考えても迫力のあるものでした。
骨が剥がれた肉は、もう力のないダルンダルン、ベロンベロンと言った感じの“肉のかたまり”にみえるようになりました。

ここからは師匠が最後の仕上げにかかっていきました。肉を部位ごとに切り分けていくのです。しかし、その前に師匠でもちょっと苦戦している部分がありました。それが肩甲骨です。
肩甲骨は他の骨と違い、凹凸があったり、肉のつき方も他の部位と違ったように感じました。師匠もここは時間がかかるといっていました。もう若いものたちは解体に気持ちが向いていなかったので、私が肩甲骨を剥がす作業をさせてもらいました。
ここまであまり作業に入っていなかったので、はじめて自分に任された感じがしてわくわくしました。知らないからこそ変な自信がありましたが、それはすぐになくなりました。これまで皆が手際よくやっていたのを見ていたのからでしょうか、この肩甲骨にはより手こずった感がありました。肉を綺麗に剥ぎ取るなんてことはできず、ただただ肉を削ってほじくって骨を取り出せるようにするので精一杯でした。
やっと肩甲骨を取り出せると、それは他の骨とは違う形をしていました。持ち手があってそこからちょっと扇状に開いた形。「それがよく“羽子板”と呼ばれるやつです」と師匠に言われてピンときました。
「これが羽子板!」 聞いたことがある! それは散々見てきた狩猟の動画で時々出てきたワードでした。
やはり“なま”の感覚は違います。テキストや動画で知った“羽子板”より、この機会、人たち、匂い、天気、自分が取り出した、そして師匠に与えられた“羽子板”というワードは何よりも私の人生の記憶に残る“羽子板”となりました。

肩甲骨が取れると、もうほんとに肉だけです。ここからは部位ごとに切り分けていきます。師匠の邪魔にならないように見ていていましたが帰る時間となりました。
本当に1日仕事でした。解体中の師匠の話の中に、解体に取り掛かるまでに時間がかかるというエピソードを話してくれました。確かに。やり始めたら途中で終わることも明日に回すこともできないので、ふん!と気張らないと取りかかれないと思いました。
師匠たちは解体して猪の肉をパックにして私にくれました。もうこの状態で見るとスーパーで並んでいるよく見るお肉です。
ただ、師匠たちは残念がっていました。
「ほんとははじめて猪の肉を食べるときは、もっと美味しい肉を食べてほしかったのに。これは発情期のオスの猪だから“臭い”の。」
それもはじめて知りました。しかし、いつもだったら逃すこともある猪を、私が“解体に立ち会いたい”ということを覚えていてくれて、日程も考慮して今回に至ったことを思うと、その心遣いの言葉も、全て感謝でしかありませんでした。
なので、どれだけ臭くても、解体に携わってこの猪の肉を絶対に食べきろう!と思いました。

おわり 〜はじめての解体を振り返って〜
いただいた猪肉は、解体した当日に少しだけ食べてみることにしました。まず塩コショウをして肉そのものの味を試してみました。しかし、師匠たちの言うとおり、アンモニアというか臭みがすごくて「これは無理だな」😅

なので残りの肉は色々調べて“カレー”にすることにしました。一晩お酒につけて臭みをとってから、さらに臭いの気になりにくい調理法で食べたので、これまで食べたことのある肉と変わらず美味しくいただくことができました。
はじめて食べた猪の味。これはこの獣臭さ、そしてはじめての解体という経験も合わさって忘れられない味になりました。いつか、師匠たち猟師さんがいう美味しい猪肉に出会いたいと思います。
この『🐗猪の解体』記事を書きはじめたときは、私は猟友会への所属を悩んでいたころでした。しかし、師匠に今回の機会をいただき、はじめて猪の解体に立ち会ったことで決意ができました。そして、この記事を書いている前日(2026年1月16日)に私は猟友会に入会しました。はじめての解体の機会から、また一歩、猟師への道を進みました。今の自分があるのも、師匠のおかげです。
入会を決めた大きな理由としては、はじめての解体に自分が戸惑わなかったことです。猪や鹿の解体をはじめて映像で見た時はちょっと引いていた自分がいましたが、それから散々見たからでしょうか、生の猪を見ても特に動揺しなかったのです。
しかし、あとから叶えると、そこに“命”がなかったからだと思いました。私が猪をはじめて見た時には、その猪は絶命しており、内臓を取り出され、もう“もの”になっていました。師匠にどのように捕まえたかを聞いた時、その話の中には“猪の命”がありました。私は“そこ”に触れなくてはいけないと思ったのです。
なので、自分で罠を仕掛け、止め刺しをし、内臓を取り出すところも自分でやらなければ、学びたいと思った“狩猟”に出会うことができないと考え、猟友会への入会を決意したのです。そうすることで、私は嘘のない“いただきます”を子どもに言えるようになると思うのです。

これから歩んでいく保育者×猟師の道を今後もこのブログ World Map 5 で綴っていきたいと思います。まだまだ保育者としても猟師としても未熟な私ですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
以上 地図屋でした。
では また👋

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本日もご来店ありがとうございました。
毎日が皆様にとって素敵な日になりますように
それでは
Have a nice dream day.🎫✈️


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